ケレン・アンの最新アルバム『101階からのスケッチ』(原題:101)が11月23日に発売となりました。
この不思議なタイトルは彼女が台湾一の高層ビル”台北101”の最上階まで登った時に思いついたもの。アルバムは、ケレン・アン自身が目撃者に扮し、高層ビルの101階から覗いた日常のストーリー10篇を巧みに綴ったコンセプト・アルバムになっています。
少し酔っぱらった二人の男女が帰ってきて時に、「私の名前はトラブルよ(『My Name Is Trouble』)」と、開口一番に女は男に告げる“マイ・ネーム・イズ・トラブル”。隣の部屋、アルバムを眺めながら昔の彼との関係を取り戻したいと考える一人の女の子の耳にどこかでパーティの音が聞こえてくる“あなたと居たい”。とある計画を練っている裕福な年増女と若い愛人“シュガー・ママ”。ナイトクラブで起きた殺人事件を歌う“共犯者”はジャケット写真でピストを持つ彼女と関連しているーなど、まるで一つ一つの曲が短編映画のように構成されているアルバムです。
ラストの表題曲「101」はケレン曰く「アルバム全体、もしくは私の人生の一時期を総括」しているとのこと。
この曲で彼女は、各数字に対応する様々な事象を挙げながら、高層ビルのエレベーターのように101から1までカウントダウンしていきます。この数字の中には意味のないものが無作為に選ばれていそうですが…。実はこのアルバム制作中に彼女の父が重病で倒れ治療していて、その父の人生最期の数時間に思い浮かんだ言葉(14カ月にも及ぶ闘病でのモルヒネ投与、その75歳の父親が迎えた75回目の春)が度々登場したり、イスラエルで生まれ彼女に関連した宗教的言葉もでてきたりしているのです。このコンセプト・アルバムを締めくくる「101」は彼女にとって全て意味あるものが挙げられた壮大な詩になっている、といえるかもしれません。
また、日本盤ボーナス・トラックとして「10月7日」も追加収録。この曲はインストの曲になっており、まるで短編映画集のエンディングテーマになっているのであわせて注目してみてください。