[浅川マキからのメッセージ・1998年アルバム制作]
Vol(I) Vol(II) Vol(III)

− Vol(II) −

 もう、暮れ近い気配、浅川マキからのメッセージ、8月のVol(I)から、
ようやくのいま、Vol(II)であります。

 メールを下さった方のなかには、わたしがお世話になった方からの温かいメッ
セージも有りました。こころに滲みました。
 そして、10代から団塊の世代まで、そのメール、ひとつひとつが個性的だと
感ずる。そのことに感動、ときには畏怖の念すら抱く。
 わたしが漠と感じている、いまの世相のなかで、「此処」に送られてくる「メ
ールたち」、そのメールの向こうの稀有な感性が際わ立つ。その数は決して多く
ないのは当り前なのでしょうが、いまのわたしには、それが眩しい。素敵だなあ。
思いがけない幸せな気持に包まれる。
 ほんとに、ありがとう!

新譜、仕上がりました。
アルバム・タイトルは
『闇のなかに置き去りにして』(11月26日の発売になります)
・小さな音量で聴いてみて下さい。さりげない一枚のアルバム、と思う。

お知らせとしては、10月の終りか11月の始めの頃「アサヒグラフ」誌に載る
予定です。(レコーディング風景、新宿ピットイン公演 等)

 このあいだ、岡崎美術館で「ジャズの街角」と題した内田 修 Jazzコレク
ション展示会場で、渋谷 毅さんのピアノで歌って来ました。その日は東京から、
詩人の清水 俊彦さんもみえて、嬉しい「とき」でありました。それからわたしは
少し旅をしました。

 最後にひとつ、ビデオ「ベニスに死す」、街を歩いていたら千円で売っていた
ので買っちゃいました(笑)。目を患う前に、映画館で観ているのに思わず −。
むかしの話で恐縮ですけど、深夜の新宿、大画面に写し出された「ソドムの市」、
深いブルーを基調にしたその映画の、どのひとコマを切り取っても一枚の絵画だ
と思った。パゾリーニもねぇ。
 そんなことを、ぽつりぽつりと話出したら、いよいよ店など開店して、− 誰も
訪れることのない暗い「其処」は、やはり虚構なのでしょう。だってね、いただ
いたメールのなかには高橋 和己の小説が出てくるのだから、不意と涙するのだ −
あ、「不意と現れる」でありましょうか。

またね!(Vol(III)は、早めに記させて下さい)

                     浅川マキ(平成十年十月二十六日)