SPECIAL

ザ・ビートルズ最大のアルバム、『ザ・ビートルズ 1962年〜1966年』(通称赤盤)『ザ・ビートルズ 1967年〜1970年』(青盤)の最新リマスター盤が遂に登場!2010年10月18日(月)世界同時発売
ザ・ビートルズ『赤盤』『青盤』を語ろう!

ザ・ビートルズ『赤盤』『青盤』を語ろう!

2010年11月に最新リマスターCDとして発売された『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』(通称『赤盤』)、『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』(通称『青盤』)。このベスト・アルバムの魅力を伝えます。(全4回)

第4回:高嶋弘之さん「ビートルズは、初めて主張した」

1959年に東京芝浦電気のレコード事業部(現EMIミュージック・ジャパン)に入社し、1964年のビートルズの日本デビューの際にご担当された高嶋弘之さんにお話を伺いました。高嶋さんは、現在は高嶋音楽事務所 ( http://www.t-artists.com/ )の代表取締役社長として、多くのクラシック音楽アーティストを手がけていらっしゃいます。

 奇跡の四人だよ。決まってるじゃない。永遠に残りますよ。レベルが違う。
 ビートルズの歌は、初めて若者が主張したんだよ。たいした主張じゃないけどね。「アイムハングリー!」なんだよ。昔は「アァァーーーイーーーム・ハァァングリイイイイィィィィーーー」だった。エルヴィス・プレスリー、フランク・シナトラ、ナット・キング・コール、アーティストはいいのがいっぱいいる。みんな、上手い。だけどもね、ビートルズは初めて主張したんだよ。それが「アイムハングリー!」なんだよ。これがズドーンと来た。だから、若者が、あっ、これこそ自分に語りかけている、って思った。
 ジョン・レノンの映画観た?「ノーウェアボーイ」。この世の中で、人間にとって一番悲しいことは何? お母さんと別れることだよ。だからジョン・レノンの歌を聴くとね、「ロックンロール・ミュージック」(チャック・ベリーのカヴァー)でも悲しさを感じる。ここがジョン・レノンのすごいところ。涙が出るよ。「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」(『青盤』)いいよね。それと「ガール」(『赤盤』)、好きなんだよ。
 編曲がうまいよ。曲の頭から「キャントバイミーラーーーヴ」とか、「ヘルプ!」とか、違うじゃない。上手いんですよ。僕がつけた最悪のタイトルは「涙の乗車券」。ビートルズは、プレスリーの時代から、つまりそのころはそんな言葉なかったけど「オールディーズ」の時代から、新しい時代に変わったんだから、新しいタイトルつけないといけない、っていうのが僕の主張。だから「抱きしめたい」(原題は「I Want To Hold Your Hand」)みたいになった。ところが「涙の乗車券」はオールディーズのタイトルなんだよ。けれど今、歌詞を見るとね。「涙の乗車券」も結構意味は合ってるけどね。
 ビートルズは絶対聴くべき。人生豊かになるよ。聴くことは、人間的成長だよ。歌詞を聴いたらね、深く考えるようになる。ぼーっと生きていていいのかな、って思うよ。やっぱり自分の人生豊かに生きなきゃならないでしょ。(談)

第3回:ザ・ビートルズ『赤盤』『青盤』を語ろう!〜志磨遼平さん(毛皮のマリーズ)「人生の岐路」

第3回目は、毛皮のマリーズ・志磨遼平さんが、ザ・ビートルズについて語ります。 「ビートルズ未体験の若い世代に推薦するなら」「ビートルズが特別な理由」「好きな曲」「私生活でのビートルズに関するエピソード」など、ビートルズ初心者の方にもわかりやすく語ります。


SoundTown (EMI Music Japan) | Myspace Music Videos
第2回:本秀康さん「『赤盤』『青盤』は一番の近道」

第2回目は、イラストレーター/漫画家の本秀康さんからのメッセージです。
本さんには今回の特集の題字も作成していただきました!

 『赤盤』『青盤』はジャケを並べて眺めるだけでも楽しい。最初は髭がなくて後期は髭ボーボー。この2枚の写真こそビートルズの音楽変遷をみごとに表していると思います。そうです。後期に髭が生えたのは外見だけじゃありません。楽曲にも髭が生えはじめました。
 そういえば"『青盤』ジャケットのビートルズは髭が生えている"と当然のように我々は言いますが、 よく見ると(よく見なくてもですが)実はポール・マッカートニーだけ髭なしです。『青盤』時代においてもポールの楽曲だけは髭度が低いことをこのジャケットは教えてくれています。
 髭の話題ついでに余談です。メンバーの中で一般的に最も髭の印象があるのはジョン・レノンでしょう。しかし『レット・イット・ビー』のジャケでは彼のみ髭が生えていないのはお気づきでしたか?髭がない時期に立ち戻って昔の曲「ワン・アフター・909」をやってみたよ。というジョンからのメッセージでしょうか?…などという『赤盤』『青盤』に入ってない曲の話は置いといて本題に入ります。
 今回は『赤盤』『青盤』を若い人向けにアピールしてくれということです。ビートルズは名曲揃いなのでオリジナルアルバムで揃えるのが粋でスタンダードだという風潮があります。僕もそうでした。だけど問題はビートルズのシングル曲(つまり代表的な有名曲)はほとんどがアルバム未収録だということ。最終的に『パスト・マスターズ』というアルバム未収録音源集で補完はできますが、 それだとシングル曲がどの時代に発表されたかを把握するのが結構大変で、僕の場合はたとえば「アイ・フィール・ファイン」がいつのシングルなのか理解するのに苦労したりしました。まずは『赤盤』『青盤』で時系列的にヒットシングルとアルバム収録曲を取り混ぜて聴くのがビートルズ・ストーリーを正確に理解する一番の近道だと思います。『赤盤』『青盤』ジャケットの4人を眺めながら、音楽に髭が生えていく様子を楽しんでください。

第1回:森俊一郎さん「"世代を超えて聴いて下さい"というメッセージ」

元東芝EMI〜EMIミュージック・ジャパンのビートルズ担当であり、現在はフジパシフィック音楽出版の執行役員でいらっしゃる森俊一郎さんにお話を伺いました。

ー1993年の『赤盤』『青盤』初のCD化を担当されました。

「父のビートルズが僕のビートルズになった」というコピーを考えて、テレビCMはあまりやってなかった時代なので、新聞広告とか駅貼りでデカいポスターを貼ろうという話になって。ぼろぼろになった『赤青』のジャケットを写真に撮って、コピーをつけて、「世代を超えて聴いて下さい」というメッセージにしました。

ービートルズの普遍性とは。

普遍性ではなく、かっこよさが伝わったほうがいい。特にジョン・レノンが死んでしまって伝説化し、神聖なものになってしまった。変にありがたすぎるものになってますね。だって、もともとリバプールの港町から出てきた不良みたいなもんなんで。当時音楽聴いてるやつなんて不良ですよ。その不良たちが自分たちで楽しんでやってた。そこでとてつもない才能を持った連中がたまたま出会って、すごくいい曲ができた。だからいまだにみんなが聴いていて楽しい。その原点に帰らなければいけないです。

ー現代の新しい音楽ファンに『赤盤』『青盤』で受け入れられる曲は。

「デイ・トリッパー」。サイケデリックな感じだと「アイ・アム・ザ・ウォルラス」とか。「フール・オン・ザ・ヒル」なんかも、影響を受けた次の世代が出てきている時代なので、ありかなと思います。コンサート活動をやめるかやめないかという前後くらいが、いま聴いても飛びぬけて現役感が伝わってくる。かっこ良さという意味ではこの辺がすごいです。

ー担当として思い出に残ることは。

ダコタ・ハウス(ジョン・レノンとオノ・ヨーコのニューヨークの家)に取材で行きましたね。2000年に。白いピアノ(ジョン・レノン「イマジン」のビデオにも登場する有名なピアノ)がありましたよ。ヨーコさんは純粋なところをちゃんと抱えたまま来ている人です。それと、ポール・マッカートニーが来た時(1990年の、ビートルズ来日以来の日本公演)に、担当としてそこにいたこと。担当していると、コンサートそのものがなかなか観られないですけど、忙しくても初日の一曲目だけはちゃんと聴こうと。すごいことだなと思って。

ー『赤盤』『青盤』を買おうかな、どうしようかなと思っている若者へのメッセージを

絶対に人生のプラスになるから、買ったほうがいい。悩んでいるくらいだったら、それくらいの投資は屁でもない。「ラヴ・ミー・ドゥ」から始まって「アクロス・ザ・ユニバース」「ロング・アンド・ワインディング・ロード」と大仰な感じで終わる、この感じ。ビートルズの歴史が一望できる。今の時代の音楽にこれだけ影響に与えた人たちの歴史がこの2作品で聴けるんだったらめちゃくちゃお買い得ですよ。