


新しい世代の台頭、新しいROCKの誕生は、いつの時代でも胸躍る瞬間だ。
半世紀の歴史を持つEMIのROCK。
邦楽のROCKレジェンドを総括し、歴史に学び、次の時代へ向けての礎を築く、EMI ROCKS The Firstのタイトルを冠したシリーズを創設。
監修に湯浅学氏を迎え、歴史的価値の高いファースト・アルバムにフォーカスしたシリーズをスタートする。
◎Prime Line:プラスチック・ケース通常盤 ¥1,500
・・・CD再発されている定番作品中心。
◎Core Line:紙ジャケット仕様、リマスタリング、新規解説付き ¥2,500
・・・初CD化や、入手困難なタイトル中心。
◎New Line:プラスチック・ケース通常盤 ¥1,800
・・・近年の作品中心。
【監修:湯浅学】
エネルギーの最初の形を知る。まだ形になっていないエネルギーの素に触れることもできる。創作者の心の原型に近づく。なんと贅沢な体験だ。ファースト・アルバムだからだ。
音楽家が自分自身を世界に知ってもらいたい、と思ったその瞬間に作られた音楽がここにあるとしたなら。もしその音楽家を知らなかったとしても、その音楽家の素の素を知ることは生きる上で少なからぬヒントになる。
ある者は世界をわし掴みにしようとし、ある者は純朴な欲望をそっと表明する。あるグループは危うく、あるバンドは熱く結束している。謎のままの人もいれば、その後の調査や研究で内実が明らかになった人もいる。ファースト・アルバムで完成し切ってしまった人やバンド、というのはあまりいない。しかし内心「ファーストを越えただろうか」と自分に問いながら作品を作り続けている人は実は数多くいる。
ファースト・アルバムは勇気と不安と不可思議な創造力でいっぱいなのだ。

ロック、歌謡曲、ブラック・ミュージック、現代音楽……さまざまな音楽を聴き倒してウン十年、音楽評論家・湯浅学による、初の本格評論集!ジャンルの垣根を飛び越えて綴られた、森羅万象のライナーノーツ。
定価:本体¥2,800(税別) 河出書房新社
ISBN978-4-309-27279-5
湯浅学(ゆあさ・まなぶ)
1957年横浜生まれ。音楽批評家。「幻の名盤解放同盟」常務。バンド「湯浅湾」リーダー。2月に続編『音楽を迎えにゆく』を発売予定。
誰かに聴かせたい、という漠然とした欲望が熟して破裂する。根拠のない自信が人を感動させる。あやふやな歌心が録音されることによって芯の通ったものに仕立て直される。そんな様々な偶然と必然の衝突がファースト・アルバムには刻まれているのだ。
すでに歴史的評価が定まったとされるものも、再聴再々聴することによって新たな魅力を見い出される。常に聴かれ続け日々新しい聴取者を生み出しているエヴァーグリーンなら手軽に手に入ったほうがいい。アナログ時代に世に出た後、なぜか発掘される機会のなかったものや好事家のマストアイテムは今一度愛着を持って聴き続けていただけるようなたたずまいで届けられるほうがいい。
歴史は順を追うだけではつまらない。あえてゴチャまぜ、時代を行ったり来たりするリリースで思いがけない通奏音が聴こえてくることを念じている。