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EMI Music Japan スペシャルコンテンツ|Great Hunting

 

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CONTENTS LIST

  • アーティストインタビュー
  • レポート

新人発掘育成セクション Great Hunting

Base Ball Bear “今はいくらでも曲が出来る。これで誉めてくれるのなら、もっと良いもの作れるぞ!って感じ。構成/久保田泰平

“独自のフィーリング、パッション、そして自信――。
キャッチーやポップといった言葉だけでは言い尽くせない楽曲群から溢れ出るチャームの根源を確認すべく、ニュー・アルバムを完成させたばかりの小出祐介に、彼らを発掘したGreat Huntingプロデューサーが直撃!

加茂啓太郎 今回のアルバムに入っている「ホワイトワイライト」はいつごろ聴かせてもらったんだっけ?

小出祐介 初めてGreat Huntingにデモを送ったのが7年前で、加茂さんから連絡があって、そのあと「決定的な曲が欲しい」と言われてがんばって作って送った曲ですよ。

加茂 正直、その頃に聴いた他の曲は覚えてないけれど、この曲は覚えている。影響を受けたものを真似るだけでなく、それを自分の作品に出来る音楽的才能があると初めて感じたね。で、バンドは武道館ライヴが控えていたりと絶好調だと思うんだけど、小出くんは昔から「売れてやる!」「俺はこんなもんじゃない!」っていう願望が強かったよね?

小出 うん、それは強くある。バンドとしての明快な目標はないけれど、ただ「こんなもんじゃない!」というのは常に。

加茂 それはアーティストとして素晴らしいと思う。ただ「売れたい!」とかじゃなくて、一人でも多くの人に聴いて欲しいから努力するというのはすごく健全で。メジャー・デビューして約3年半経ったけど、なにか妥協したことってこれまであった?

小出 どうだろう……妥協したという実感はないけど、今回のレコーディングで、“手を抜く”ことをやめるとより良いものが出来るんだなということは思った。

加茂 具体的に言うと?

小出 アレンジの時、メンバーに「まぁ、そこは任せるよ」って言うのはやめたんですよ。自分が気になった部分は必ず伝えたし、エンジニアさんにも全部任せないで、相談して決めていったし。

加茂 では、この3年半で人間的に成長したことってなにかある?

小出 それはいっぱいありますね。アルバムを3枚作って、常に曲のことを考えていたから、自分が曲の中にいるのか外にいるのかわからなくなる感覚があって。曲の中の思考と直結しているというか、例えば好きな女の子がいて、今日告白しようと思っていることが本心なのか、曲の中の自分が思っていることなのかわからなくなるっていう。歌詞の主人公は常に僕だし、それはファンタジーであれリアルなものであれ変わらないんですよね。

加茂 歌詞を書くうえでの意識は変わってきてる?

小出 前作の『十七歳』を出したあと、人のために歌うような詞がだんだん嫌になってきて、それであれこれ思い詰めて落ち込んだこともあったんだけど、そういうツラい思いを抱えたからこそ自分のことを歌いたいってさらに思い直して。だから、今回は自分のことしか歌ってない。良い詞っていうのは個人的なことを歌うものだとも思うし。

加茂 個人的なことを歌っているのに万人の共感を得るというのが本当に良い歌詞だからね。

小出 だから、今回のアルバムはブレてもぜんぜんいいと思っていて。誰でも「幸せだ!」って思う時もあるし、「死にたい」と 思う時だってあるじゃないですか。そういう振れ幅は、そのまま入れたかった。

加茂 ところで、曲作りはいつも“タイトル”を決めるところから始めるんだって?

小出 そう、それが重要。こういう曲を作りたいと思わないと何にもアイディアが出てこない。

加茂 曲が降りてくる、なんていう人もいるよね。

小出 僕は違いますね。こういうタイトルの曲を作りたい、それだけでもいいんです。今回の「SIMAITAI」っていう曲なんかも、“SIMAITAI”と何度も歌う曲を作りたいってところから膨らんでいったし。

加茂 コード・ネームとかぜんぜん意識しないんだ。

小出 ぜんぜん知らないんで。プロデューサーの玉井(健二)さんに訊いたら“マイナー6th”が多いとは言われましたね。

加茂 曲の情感というのはコード感で表現されると思ってるんけど、きっと“マイナー6th”の響きがBase Ball Bear特有の、喜怒哀楽だけでは微妙に表現できない情感を表現してるんだろうね。

小出 ただのメジャー・コードは出てこないんですよ。ヘンなコードに自分のメロがしっくり来るんですよね。こうしたいと思うメロが、そういうコードに寄っていく……だからコード進行とメロと歌詞は同時にできるんですよ。

加茂 歌詞も同時なんだ。ネタ帳とかないの?

小出 最近は作ってない。よほどのことがないと録音やメモはしないです。今回なんて、家で考えるという作業もやめて、“曲はスタジオで出来る!”という自信だけでやりましたから(笑)。いきなりギターを弾き始めて、メンバーに「ついてこい!」「コードを読み取れ!」って感じ。それで「LOVE MATHEMATICS」とか3時間で作った。

加茂 それはすごいね。小出くんがまず曲をまとめて、とかではないんだ。

小出 ひとりで作り始めると感じが違っちゃうから、それはやらない。

加茂 それって高校時代からの人間関係があるから出来るのかもしれないね。

小出 それはそう思う。10年来の付き合いだし。

加茂 Base Ball Bearの演奏は、ただ上手いだけでは出せないバンド・マジックがあると思うんだけど、それは何なんだろうね。

小出 ライヴだと将平のやってることがすごく奇抜に見えると思うんですよ。俺はコードを弾くだけ、ベースはルートばっかり、ドラムは四つ打ちばっかりで難しいことは何もやってない。でも、俺のギターがジャストにリズムを刻んで、そこにドラムが乗っかって、ベースがうしろに一歩引いて、将平のギターがやたら前に出て――そういうタイム感が独特なのかなぁと思う。派手なことや難しいことをやっているようには聴こえないけど、メンバーは細かいニュアンスに対して小回りがきく人たちなんですよ。「これは無理か?」と思ったフレーズでも、トライしたら出来ちゃう。だから、みんな1.5人分くらいのことはやってますね。4人でしか演奏しないというのがルールなんで、ステップアップしていくには一人一人の負担を増やしていくしかないんですよ。

加茂 レコーディングで苦労することはある?

小出 煮詰まることとかは、まずない。演奏もほぼ1、2テイクでOK。でも、「LOVE LETTER FROM HEART BEAT」っていう曲では、パートを全部別々にレコーディングして、それから編集してっていう手順を踏んでますけどね。逆に「レモンスカッシュ感覚」は、アンプもブースの外に出して完全一発録り。ライヴと同じでやり直しナシ。この曲に関しては、演奏に緊張感が欲しかったし、きれいに録るというよりシリアスな感じに録りたかったから。

加茂 レコーディングでOKを出す基準は?

小出 「ホリ、どうこれ?」「これでいいよ!」ってそんな感じ(笑)。

加茂 音決めは?

小出 ドラムの音は僕もしっかり聴いて決める。今回はゲイト・リヴァーブを多様したから。ベースは曲によって違うけど、ギターは俺も将平もライヴの時と同じアンプのセッテイングで、マイクもライヴと同じものを使う。

加茂 関根さんのコーラスは、このバンドのすごい特徴と武器になってると思うんだけど、それはどう考えてるの?

小出 「この曲はシングルだし、歌っておくか?」みたいな(笑)。でも、関根のコーラスが入ることで柔らかくなりすぎそうな曲に関しては却下するし、関根が歌っているように聴こえて僕が歌っているのもある。

加茂 曲作りは絶好調だね。

小出 今はいくらでも出来る。まだぜんぜんイケる。調子に乗ってる(笑)。これで誉めてくれるのなら、もっと良いもの作れるぞ!って感じ。

加茂 そのインスピレーションの根源な何なの?

小出 例えば僕、いまだにビートルズを聴いてないんですよ。関根みたいにプログレをマニアックに聴いたりとかもしてないし。なぜかというと、例えば槇原敬之さんを聴いて、頭の中で分解するんですよ。そうすると曲のルーツみたいなものが見えてくるじゃないですか。槇原さんは何かから得たものを自分なりに消化してるんだなあって。そういう発見をすることで、槇原さんと槇原さんが影響を受けたものをいっぺんに二度味わえるというか。自分がいいなあと思ったものはいつもそういうふうに聴いてるから、昔のものまで聴かなくてもいいんじゃないかなっていう気がして。それはプロデューサーの玉井さんといっしょに作業をしていくなかで、わかったことなんですけどね。サザンオールスターズのヒット曲はほとんどベースが下がっていくとか、メロディーは変わらないけどコードが変わっていくから耳にひっかかるとか、小室哲哉の曲のサビは基本的に三音だけで構成させているけれど、ちょっとハズす四音目がひっかかるとか、そういうことが感覚だけじゃなく理屈で説明できるようになりましたね。だけど、分解できるのは方程式に沿って編まれたものだけで、レッチリがなぜカッコいいかっていうのは、理屈では語れないですよね。そういう意味で、構造的に良い曲でも+αがないとおもしろくないというのはわかってるつもりです。それがアイデンティティーになるわけだから。でも、そういう構造は知っておいたほうがいいし、知ってないと遊べない。知らずに遊んだらワケがわからないものになると思う。僕はもっと遊びたいんですよね。

加茂 最後に、僕がBase Ball Bearのデモを初めて聴かせてもらったのが7年前になるわけだけど、これから音源を送って、レコード会社やマネージメントの人と会おうか、というようなアマチュア・ミュージシャンになにかアドバイスはある?

小出 簡単にサインするな!信用するな!って言いたい。最近知り合ったバンドが「メジャー・デビューの準備ができてます、あとはハンコ押すだけです」みたいなことを言われてるらしいんだけど、そんなのは絶対信用できないし、本当にメジャー・デビューできるとしても、自分の身の丈を客観的に見て、サインできる状態かどうかはじっくり考えたほうがいい。そんな甘いもんじゃないから、インディーズで出してみるとか、たくさんライヴをやって実力、曲のストックができた段階で考えたほうがいい。

加茂 僕のようなメジャー・レコード会社の人間が会いに行くと、すぐデビューできるんだと勘違いされることが多いんだよね

小出 僕も初めて加茂さんに会った時そうだった(笑)。でも、メジャー・デビュー前に会わせてくれた人や経験させてもらったことが大きな財産になってるから良かった、って感じかな。

「GREAT HUNTING」はライブハウス、レコード店、リハーサル・スタジオで配布中です。プロを目指すアマチュア・ミュージシャンに役立つ情報満載です。ぜひ手にとって見てください。

(WHAT IS THE) LOVE & POP?/Base Ball Bear

Base Ball Bear
(WHAT IS THE) LOVE & POP?

In-Stores Now
TOCT-26880

  1. Stairway Generation
  2. SOSOS
  3. changes
  4. 神々LOOKS YOU
  5. LOVE LETTER FROM HEART BEAT
  6. ホワイトワイライト
  7. BREEEEZE GIRL
  8. LOVE MATHEMATICS
  9. SIMAITAI
  10. 海になりたいpart.2
  11. レモンスカッシュ感覚
  12. ラブ&ポップ

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10/31(土)
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LIVE;(THIS IS THE)Base Ball Bear
1/3(日)
東京・日本武道館

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