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EMI Music Japan スペシャルコンテンツ|Great Hunting

 

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CONTENTS LIST

  • アーティストインタビュー
  • レポート

新人発掘育成セクション Great Hunting

シンガー・湯川潮音の好奇心 湯川潮音×加茂啓太郎(Great Huntingプロデューサー)構成/久保田泰平

洋楽ロックの有名曲を歌ったカヴァー・アルバム『Sweet Children O'Mine』で、表現者としての可能性を果敢に広げてみせた湯川潮音に、彼女のデビューをサポートしたGreat Huntingプロデューサーがインタヴュー!

加茂啓太郎 選曲の基準は何だったの?

湯川潮音 ほぼ他薦によるものです。ファンの方やスタッフなどからリクエストを募って、あえて自分が知らない曲や、なんとなくしか知らない曲を選んで唄ってみて、合うものを選びました。

加茂 自分では違うかな?と思っても、スタッフが良いと言ったものはやってみようっていう感じだった?

湯川 まさにそうでしたね。

加茂 僕の知っている湯川潮音は“こだわりの強いアーティスト”なんだけど、ある部分“こだわり”を放棄するっていうのはどんな気持ちだったの?

湯川 いままでは完璧にすべてをやろうとしていたんですけど、前作の『灰色とわたし』を作って、手放すことの有意義さや自由さがわかって。手放してみることで入ってくるおもしろさを感じながらできるようになったんですね。それで、カヴァーをやるのであれば、ただ唄うだけみたいな、余計な思い入れを介さず、まっさらな気持ちで歌ってみたいと思ったんです。もうそこに素晴らしい曲があるということですから。

加茂 潮音ちゃんはインディーのファースト・アルバム(『tide & echo』)からカヴァーをやっているじゃない? 僕は最初から、湯川潮音が歌えばどんな歌でも“湯川潮音の歌”にできるシンガーになってほしいと思っていたので、今回のアルバムではそれが開花した印象があるな。ところで、今回もイギリスでレコーディングしたのはなぜ?

湯川 単純に、『灰色とわたし』でご一緒したプロデューサーのクマ原田さんと仕事をしたいと思ったのと、その時に良いレコーディング・チームができたので、そのスタッフと作業がしたいというのが理由です。

加茂 クマ原田さんはどんな人なの?

湯川 すごくいろんな面があって、スマート。私のことを一目で見通されて……そんな経験初めてでした。本当にプロデュースするのがうまい方だと思います。その人をどう見せたら良いかをわかっているし、相手を見抜いて、それを持ちあげるのが自然にできる人。十代で(ふらっと トルツメ)ドイツに渡って、何十年間も海外で過ごされて、いろんな価値観に触れて来た人だからだと思いますね。

フジファブリック

加茂 レコーディングの環境は日本とどう違う?

湯川 前回はホテルからスタジオに通ったんですけど、今回クマさんが探してくださった郊外のスタジオは泊まれる設備があったので、生活の延長線上にレコーディングがありました。朝ごはんも私が作ったり、掃除もするし、まさに皆で暮らしながらといった環境でした。それに、オランダ、アイルランド、ポーランド、フランスといろんな国から来た人たちが一緒に生活して作業しているから、音楽もミックス・カルチャーになるのが感じられるんですよね。

加茂 前回のイギリス・レコーディングとはどんな違いがあった?

湯川 ぜんぜん違いましたね。英語が前回よりは少しわかるようになったし、一緒に生活することで家族のようにいろいろな面を見せ合うから、それぞれの習慣もわかるし。それぞれの文化、価値観を吸収していく感じがあって、それによって一日一日成長していったというのは、チームのみんなも実感してくれたみたいです。

加茂 レコーディングはどうやってすすめるの?

湯川 最初はリヴィングや庭で演奏――私が歌って、みんなでアレンジを考えて、まとまってきたらスタジオに入るという感じです。

加茂 編集は?

湯川 編集は極力しないし、やり直しもあまりしないですね。歌っても2、3回。歌う時の気持ちの持って行き方とか、エンジニアのティム(・ペティット)がうまく後押ししてくれるんですけど、彼の言うことがわかりやすかったので、何度も歌わなくても感情を持っていけました。

加茂 僕がレコーディングに立ち会ってた頃は、スタッフがOKだと言っても何度も歌いなおそうとしたのにね(笑)。

湯川 今年はライヴをたくさんやったので、ライヴ感に乗って歌うことには慣れて来ていると思います。弾き語りでもかなりやったし。やり直しの利かないライヴで鍛えられたのかな。自分でも、歌入れは3回までがいちばん良いというのもわかってきたので。

加茂 聴きなじみのない楽器の音がいろいろするんだけど、変わった楽器も使ったの?

湯川 エレクトリック・シタールくらいで、あとはそんなに珍しいものは使っていません。でも、アプローチやタイム感、ムードが違うだけでガラッと音色が変わるんだと思う。

加茂 「To Be With You」では楽しそうな歓声が入っているけど、スタジオはいつもこういうムードだったの?

湯川 そうですね。とくにこの曲は、パーティーみたいに楽しんでほしいっていう感じで、笑い声とかもそのまま入れました。スタッフは本当に良い人たちで、スタジオ・オーナーのバリー(バリーモア・バーロウ。元ジェスロ・タルのドラマー)は私たちのことがすごく気に入ったらしく、毎晩遊びに来てましたね。スタジオの機材はちゃんと音が出なかったりっていうのが平気であるんですけど、聞こえなくてもまあいいかみたいな感じなんですよ。でも、日本人にはない豊かな音の感覚をみんな持ってるんですよね。

加茂 潮音ちゃんの中で、“良い曲”というのはどういう曲になるのかな?

湯川 そうですねえ……今回、誰もが知っているような曲のカヴァーをやってみて思ったのは、コードが単純でメロディーがとくに変わっているわけではなくてもすごく強いもの、っていうのが広く好まれるという意味なんだなって思いましたね。私の曲はカラオケで歌っても難しいし、誰でも歌えるメロディーっていうのも大切だなあって思いました。

加茂 話は変わって、潮音ちゃんもメジャー・デビューして5年目だけど、そのあいだに得たものと失ったものっていうのはある?

湯川 歌うたびに、お客さんから歌と交換に受けるものがあって、それが自信にもなるし、その繰り返しをずっとしていると自分が豊かになっていくのを感じますね。うん、失ったものより、得たもののほうが確実に多いです。

加茂 カヴァー・アルバムを作り終えて、これからやってみたいと思ってることは何?

湯川 今はオリジナルを作りたいですね。良い流れが自分の中で生まれているので。

加茂 最後に、「Great Huniting」を読んでるアマチュアのアーティストに向けてメッセージを。

湯川 形に囚われないで、おもしろいと思ったことはどんどんやってほしいと思います。ジャンルもそうだし、日本のマーケットとかポップ・ミュージックとかにも囚われないでアイディアを広げていくことが大事だと思うし、私もそうしていきたいと思います。

湯川潮音/「Sweet Children O’Mine」

湯川潮音「Sweet Children O’Mine」(TOCT-26922)"魔法の歌声"で奏でる、ロックの名曲たち。 湯川潮音、メジャーデビュー後初のカバーアルバム完成。


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