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(ラジオのナレーション)
9歳の市内の少女が… スポーツではナショナル・ホッケー・リーグが… 今日は1日中晴れ…

ウィリアム・デュヴァール:俺が最初に聴いたアリス・イン・チェインズの曲は、たぶん「マン・イン・ザ・ボックス」だったと思う。でも「ウッド?」を聴いて本格的なファンになった。ビデオも覚えてるよ。オール・バック・ヘアで、昆虫みたいなサングラスをしてた時期だったけど、あのビデオはヴィジュアル的にも強烈で、雰囲気も凄く気に入ってた。特にエンディングの「Am I wrong ...」の部分のメロディがシフトするあたりは面白い展開だよな。

ジェリー・カントレル:津波が起きた後、ショーンから電話がかかってきて、こう言われた。「友達を集めてチャリティ・コンサートを開きたいんだけど、お前と俺とマイクが一緒に演奏するっていうのもいいんじゃないかと思ってさ」 それで、俺はほとんど何も考えずに、「もちろん、いいよ」っていう感じだった。

マイク・アイネズ:俺はちょうど山の中にある自宅にいて、そこにショーンから電話がかかってきて招聘されたっていう感じで、ジェリーも俺もまっしぐらにシアトルに飛び発った。

ジェリー: 凄く恐ろしい光景だったけど、世界中の人々が反応して、皆が心配して救済活動を行ったから本当に素晴らしかった。。

マイク: 死者が大勢出て、何というか…俺達の一生の中で最大の天災で、もうこういうことは起きないで欲しいという気持ちだ。

ショーン・キニー: 何かしらの救済活動をしたかった、というだけのことなんだよ。また皆と一緒にプレイできてかなりいい気分だった。レインが亡くなって以来、たぶん、一緒にプレイしていなかったから。

ジェリー:実際、凄く感動的だった。レインの両親や俺達の家族や友人も来てくれたから、当然のことながらレインを偲ぶ気持ちでいっぱいだった。ギグをやってる間に、数回“ちょっと陶酔状態"っていう感じのいい雰囲気になったんだよね。他の皆もあのいい雰囲気を感じたんだと思う。で、その後、何本か電話がかかってきて、リハーサル・ルームで一緒にジャムを始めようか、っていうことになった。

ショーン: 強要された訳じゃない。ジェリーも俺も、互いに電話をして「バンドを再結成しよう」とか言ったわけじゃないんだ。

マイク: 本当に驚くべきプロセスだった。別に壮大な計画とかゲーム・プランとかがあったわけじゃないんだよ。ジェリーがいいアイディアを沢山持ってて、それがジャム・セッションに発展して、全員一緒にいると楽しいから自然にジャムをやり続けた、というだけのこと。ウィルを選んだのは大きな進展だった。俺達のオーディエンスの前に立って堂々と正視できるヤツなんて初めて見たよ。それに、彼は前任者が空けた穴を必死に埋めようとしてる訳じゃなくて、単に相当勇気のあるヤツなんだ。

ジェリー: ウィリアムに合ったのは、うーん、そうだな、21世紀に入った世紀の変わり目だった。すぐにすっかり意気投合したんだ。

ウィリアム: キャントローズ(訳注:ジェリー・カントレル )の最初の一言は、「ヘア・スタイル、イケてるね」だった。

ジェリー: 当時、俺は『デグラデーション・トリップ』というソロ・レコードをやってて、2002年にツアーをすることになってたんだけど、バンドがなかなか作れなかったんだよ。そんな時に、ウィリアムと彼のバンドが俺に力を貸してくれ、ツアーに参加してくれて、彼がそのまま俺のバンドのメンバーになった、という感じだった。

ウィリアム: 俺達はステージに出てジェリーのオープニングをやって、ステージを去って汗を拭き、大急ぎでまたステージに戻ってカントレルのセットをやってたね。

ショーン: 『デグラデーション・トリップ』でウィリアムがジェリーとプレイして、アリスの曲を演ってるのを見たことがあった。他の誰かのマネをするんじゃなく、自分の曲としてプレイしていて、アリスの曲を正当に扱ってくれてるなと思った。

ウィリアム: 同じ週に、何人かショウを見に来てたと知らされたんだ。その週の金曜に会場に行った段階で、どうしようかってことになって、カントレルがこう言った。「『ワン・デイ・ラヴ』をやりたいか?」ってね。

ジェリー: ヴォーカルがそれほど難しくないものから徐々に入っていったほうがいいんじゃないかと思ってたんだけど、ヤツはいきなり飛び込みたがったんでこの曲を選んだ。で、プレイしたら、彼が客を圧倒してくれた。

ショーン: 最高に上手くて、感動したよ。

ウィリアム: ショーンがまず俺の顔を見て、その後全員を見てこう言った。「もうこれ以上探す必要はなさそうだ」

ショーン: 彼は均整のとれた才能豊かな人間さ。

ウィリアム: その時点で全てが動き出したっていう感じだね。彼らと一緒にやった最初のショウは、TVのVH1でのロック・ミュージックに対するハート(HEART)の貢献を讃えるショウで、アリス・イン・チェインズがその番組収録に招かれた。テレビ放送されるから、撮影されてからはもうプールの中にどっぷり沈められたっていう感じで、プレッシャーなんかあるわけないよね。今でもよく覚えてるのは、「誰か俺達を応援してくれるか?」って叫んだら、物凄い叫び声が戻ってきたこと。

マイク: 皆で集まってジャムってるうちに、何本かクラブ・ショウをやるようになって、気が付くとポルトガルやドイツのステージに上がって、何十万人もの観客の前でクレイジーなフェスティヴァルに参加していた。

ジェリー: 曲の素材作りはツアーとかの合間にやってたんだよね。それで、リヴォルヴァー・ツアーが終わって。結構疲れてね。長くて最高にいいサマー・ツアーだった。で、いつものことだけど、数週間休みを取ろうと自分に言いきかせて、家に帰って1日目にはもう曲を書き始めてた。

ウィリアム: 2年半のツアーの後で、全員、スタジオに入るのがとても楽しみだった。新しいことが出来るし、自分達の実力を見せられるわけだから。もちろん、ユニットとして連帯感を築くことができたのは、あれだけのツアーをこなしたお陰だ。ツアーが終わる度に、俺達は新しいアイディアを山ほど家に持って帰った。アイディアが生まれると必ずその場で誰かに記録して貰ってたんだ。ビデオやオーディオのテープを沢山自宅に持ち帰った。自分の電話に声でメモを吹き込むということもあった。

ショーン: 相当にいろいろなアイディアが行き来して、どっかに集まって素材を出し合って、どんなサウンドになるかみてみよう、ってことになった。何か出来るかもしれないって感じだったんだ。それでスタジオ付きの家を借りて、何本かデモを作ってみたらかなり気に入った。

ジェリー: 幾つか最高にいい素材がある、って悟り始めたんだよ。

ショーン: それで、次のステップを取ることにした。

ジェリー: で、レコード会社を探し始めて、ヴァージン/EMIを見付けて、現在に至った訳さ。これから活躍するぜ。

マイク: 俺達の友情に関すること…それとレイン・ステンリーに別れを言うということ。3人にとっては、それは終わりのないプロセスだけど。

ジェリー: アルバムのタイトルは、“BLACK GIVES WAY TO BLUE"(邦題「ブラック・ギヴズ・ウェイ・トゥ・ブルー」)という曲から取った。

ショーン: 凄くヘヴィな曲だ。ジェリーがレインのために書いたとても美しい歌なんだ。

ジェリー: 皆が個人的に心の中で感情を処理していて、これからもそうするつもりなんだが、レインが死んだという事実…今後の人生をどうやって生きていくかということを歌にした、という感じだ。初めて内心の思いをはっきり口に出して言った感じで、物凄く気分が悪くなった。本当に病気になっちゃったんだ。

ショーン: ひどい偏頭痛みたいな症状で、ありとあらゆる医者に行った。原因を究明するために脊椎穿刺を受けなきゃいけないかもしれないっていうところまで行ったんだんだけど、結局どこも悪くなかった。

ジェリー:偏頭痛の一種の症状が3週間続いた、ということだった。悲しみの大きな固まりを吐き出した、ということだったんじゃないかと思う。まだ上手く処理されてなかった未消化の悲しみのね。

ショーン:この曲のトラッキングをしてるとき、ジェリーが歌ってて、スタジオには俺と彼と(プロデューサーの)ニックがいたんだけど、とにかく最高にヘヴィで重苦しかった。ずっと先送りにしてたんだ。曲が出来上がっても、ずっと後回しにしてた。相当に重苦しくなるってことが分かっていたから。で、彼が歌ったんだが、とても辛そうだった。で、俺は不安発作みたいなものに襲われて、全員でトイレに行って、床に座りこんでほとんど呼吸もできない状態で、自分の顔に水をかけたことを覚えてる。でも、とにかく本当に本当に特別なひとときだった。かなり重苦しいことだったから。

ウィリアム:こういうことって、とてつもなく強い絆を本当に作り上げてくれる体験なんじゃないかと思う。

ショーン:それで…全員で、ピアノを入れたらいいんじゃないか、って思って。でさ、…仲間のザ・ボールディがそこにいて「エルトンに電話しよう」と言ったんだ。「何言ってるんだ。おまえ、まさかそんなこと…やってみよう」って感じだった。

ジェリー:で、俺はクレイジーなアイディアだと思った。俺はエルトン・ジョンが大好きでね。ミュージシャンになるインスピレイションを与えてくれたのはエルトンだと言っても過言ではないんだ。だから、短い手紙を書いて彼にeメールして、どんな曲か説明したら、やってくれると言ってくれた。どのアルバムも、当然のことながら、それぞれ全然違う体験を味わわせてくれるものだ。音楽はその時の自分を反映するもので、もう長い年月が過ぎ去っている。もう何年も過ぎ去って、俺達は大親友でありパートナーのレインを失ってしまった。バンドの重要なメンバーとしてこよなく愛し、頼りにしていた人間を失ったんだ。『フェイス・リフト』とか初期のレコードの時は、ただのワイルドなキッズだったんだよね。このレコードでは、誰の目にも明らかなように、物凄く沢山のチャレンジに打ち勝たなきゃならなかった。本当に皆が意欲的に頑張った。全員が必死になってこのレコードに取り組んだ。この作品に全力を投入し、その成果に本当にハッピーだし満足している。

マイク:基本的に、このレコードの中心的なテーマは、全員が集まって、友人であり同胞である人間にさよならを言うというもので、この作業は俺個人にとって本当に特別なプロセスだった。単に楽器を一緒に演奏してる連中とかいうんじゃなくてファミリーと一緒に行った作業だから。他のことよりも本当に意義深い仕事だった。一緒にやれてよかったと今でも思ってる…失礼。

ジェリー:音楽をやることが俺達にとってまだとても重要なことなんだと、全員が悟り直した。音楽は俺にとって大切なものであり続けている。俺達は、今まで進んできた道を汚すことなく、今あるべき姿へと進化しているんだ。俺はこのバンドのメンバーであることをとにかくとても楽しんでる。今までも楽しんでたけどさ。華麗で抽象的な表現もいいかもしれないけど、とにかく…、しっくりくるんだよ。

Translated by Marie Nishimori

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