マーヤン・キャステル 『ウォーク・オン・ウォーター』2012年1月25日発売 TOCP-71223 /¥2300(tax in) |
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イスラエル生まれ、9歳でアメリカ東海岸へ移住。
幼い頃は、英米のオルタナティヴ・ロックにハマり(中でもレディオヘッドは全アルバムを愛聴するお気に入りバンドだ)、音楽好きの両親からはレナード・コーエンやピンク・フロイドやスティーヴィー・ワンダーといった古典的アーティストに加えて、地元のシンガー・ソングライターたちの歌にも親しんだマーヤン。 どんどん守備範囲を広げてゆく中で、「私のソウルの在り処という意味においてのソウル・ミュージック」と位置付ける、レゲエとボブ・マーリィにも出会った。そして物心ついた頃から「歌ったり、楽器を弾いたり、空想上のオーディエンスの前でパフォーマンスしたり、自分の歌を録音したりしていた」という彼女は、アメリカ東海岸・マサチューセッツ州のボストンに近い町で暮らすようになってからも、次々に新しい楽器を手にとり、高校卒業後は名門校バークリー音楽院に進んでいる。
専攻はギターとミュージック・シンセシス(テクノロジーを用いたサウンド操作やマルチメディア表現の講座)について学び、レコーディング知識も身に付けた。両親共にコンピューター・エンジニアで、テクノロジーに大きな関心を抱いていたマーヤンにとっては、ごく自然なチョイスだったようだ。
旅行が大好きで、その年はインドからジャマイカ、ペルーに至る世界各地を回り、行く先々でまた新しい楽器を手に入れて現地のミュージシャンから演奏方法を教わる――というような旅をしていた彼女は、ちょうどヒマラヤに滞在していた際に一種の啓示みたいな閃きを得て、音楽に人生を捧げることを決意。
まず、バークリー卒業後に『Walk On Water』(5曲入り)をデジタル・リリースするに至った。この時からパートナーシップを組んでいるのが、ふたりのプロデューサー、レオ・メラスとスティーヴ・カティゾーンだ。マーヤンはバークリー時代に授業の一環としてふたりのスタジオでインターンを体験。その時に意気投合して、コラボを始めたそうだ。もっとも、プログラミングやアレンジや編集作業に精通している彼女は自らプロダクションに深く関わっており、『Walk On Water』は、あくまでマーヤンの主導で形作られた作品だった。
3人は元から完成度の高い楽曲にたっぷり時間をかけてアレンジを施して、生楽器とエレクトロニックなテクスチュアのバランスを探し、バークリーの同窓生を含むボストン在住のミュージシャンたちを交えて、マーヤン流のノマド・ミュージックを完成。
その後はシンプルなアコースティック仕様からフルバンドまで様々な編成でライヴ活動を行ない、現在はボストンからロサンゼルスに拠点を移し、アルバムの制作をつづけた。








誤った判断やちょっとした後悔が、良心にのしかかる事がある。罪の意識で健康を損なうことも。私はそんな気持ちを取り除きたくてこの曲で吐き出したら、楽になったの。
2. COURAGE(カレッジ)
この曲は、地球の裏側に行く飛行機の、搭乗を待っている時に書き始めた。私は昔からの知り合いに恋していて、出発前に告白する勇気がなかった。今では彼も私の思いを知っているけど。
3. NOW I DON’T(ナウ・アイ・ドント)
この曲にはちょっぴり皮肉を効かせている。失恋中に書いたから、チクリとくる感じにしたかったの。要は「あなたのことなんてすっかり忘れたわ」っていう歌。
4. SAILING ON(セイリング・オン)
多くの愛する人を残して旅に出てきたけど、これはそんな旅立ちの一コマを表現した曲。長い旅に出る直前に好きな人ができて、出発すべきか悩み始めるんだけど、「本当に縁があれば、相手は待っているだろう」と悟るの。カエターノ・ヴェローゾの美しい詩や声にインスパイアされたわ。この曲を書いた頃はブラジルのトロピカリア・ミュージックに夢中だったから。
5. ONE LIFE(ワン・ライフ)
「今を楽しもう」っていうモーニングコールを送る楽しい歌。イントロには実際に目覚まし時計の大きな音を使っているの。
6. RHAPSODY(ラプソディ)
この曲は、エドガー・アラン・ポーの詩からイメージをふくらませた。スティーブとレオが美しくてドラマティックなイントロを弦楽器で演出してくれたから、映画みたいな歌に仕上がったわ。登場人物は、純真な乙女と無慈悲で嫉妬深い王様。王様は乙女を自分のものにしようとして幽閉するけれど、乙女は脱出を企てて王を殺す…というストーリー。
7. THIS FIRE(ディス・ファイア)
中米を旅していたときに書き始めた曲。素晴らしいことに、貧困に苦しむ国々では音楽が心の拠り所になっているの。いつの時代も音楽は力を発揮してきたわ。これは、そんな音楽の力を称える歌。
8. ONE(ワン)
イスラエルに住んでいたときに書いた曲。非営利団体で、ユダヤ人とアラブ人の子供たちの対話や友情を育むために働いてたの。私はアーティストとして、未来への希望に満ちたメッセージを伝える役割があると思う。愛と教育、そして寛容さがあれば、未来は拓けると信じている。
9. BROKEN(ブロークン)
人間関係にまつわる辛い経験について書いた曲。相手がずっと隠し事をしていたの。嘘をつき、傷つけ、裏切った相手を、許し忘れることはできる?信頼が崩れても愛と時間があれば乗り越えられる?その答えはまだ分からない。
10. WALK ON WATER(ウォーク・オン・ウォーター)
この曲はほとんど偶然に生まれた。私とレオが電話しているとき、レオはピアノで遊び始めた。彼は二つのコードを弾いていて、私は「電話を切ってスタジオに行くわ」と言った。そして、ピアノの旋律に合わせて詩を作ったの。これは個人的に気に入っている曲の一つだけど、それはたぶん、こういう成り立ちだけじゃなくて、曲のテーマにも理由があると思う。この曲は人生の困難 ― 愛する人を失い、その人がいない空しさ、彼を救えなかった自責の念 ― がテーマになっているの。