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東大阪市にある司馬遼太郎記念館。八戸ノ里駅をおりて数分歩くと、その建物は住宅街の中にあります。もともと司馬先生が住んでおられたご自宅を中心に記念館が建てられています。 伺ったときは12月はじめ。門を入ると庭の紅葉が美しく、その合間からまず目に入るのは司馬遼太郎先生の書斎。司馬遼太郎先生の書斎を生前のままに目にすることが出来るとは。周囲の書棚には未完に終わった『街道をゆく –濃尾参州記』の参考資料などがそのままに置かれています。 庭の小径を進むとコンクリート打ちっぱなしのモダンな建物が。安藤忠雄さんの設計で落ち着いた庭のたたずまいと見事にあっています。 ガラスの回廊を進んでエントランスへ。建物の中に入って圧倒されるのは吹き抜けにそびえたつ大書架。貴重な初版本を始めとする司馬先生の著書はもちろん、生前の司馬先生がお読みになっておられた資料本が並べられ、この大書架に納められた蔵書の総数は約2万冊とのこと。これだけ巨大な書架を目にすることはまずないでしょう。まるで映画の中に出てくる夢の図書室のようです。司馬遼太郎という作家の記念館なので、ここに来る人は本好きに違いありませんが、そういった人にとっては「本に囲まれる」という空間は落ち着くものであると同時にこの大書架にテンションがあがることは間違いありません。 一階はエントランス、ショップ、カフェおよび映像を見るコーナーで構成されています。(映像を見るコーナーでは、さらなる自宅にある蔵書の様子を撮影した映像が上映されています。) |
![]() ![]() 写真協力:司馬遼太郎記念館 |
![]() ![]() 写真協力:司馬遼太郎記念館 |
階段を下りて展示スペースのある地下一階へ。地下一階には、時期によって内容を変える企画展示コーナーと、司馬先生が愛用された眼鏡や色鉛筆などゆかりの貴重な品々が展示されたコーナーがあります。伺った際には、企画展示コーナーでは「『坂の上の雲』に描かれた日本海海戦」という展示が行われており、熱心に見入ったり、メモをとる男性の姿も。またゆかりの品々には生前の司馬先生とお付き合いのあった方ならではのコメントが添えられていました。 特徴的なのは、この展示フロアーに8人くらい座れるようなテーブルと椅子のスペースがあることでしょうか。まるで図書館のようです。テーブルの上には来館者が自由にコメントを書けるノートが置かれていました。 また、地下1階には150余席の小ホールもあり、ここでは司馬遼太郎先生に関する映像の上映が定期的に行われている他、随時講演会や演奏会が開催されていて、地域の文化ネットワークの基点となっているそうです。 一人の作家のための記念館を訪れたのは初めてでしたが、この「司馬遼太郎記念館」について感じたのは、司馬遼太郎先生の生涯をこと細やかに紹介する、過去の展示に完結する「伝記」のような場所ではなく、司馬先生の作品、メッセージに焦点を当てた、いわば「司馬遼太郎先生の世界・精神」を紹介・伝達してゆく場なのだな、ということです。 2011年の今年、開館10周年を迎えた司馬遼太郎記念館。この記念館は「見る」記念館というよりも「考える」「感じる」記念館、をテーマにしているそうです。司馬先生が作品の中で表現し、伝えてきた精神とは何なのか。またそのメッセージとは何なのか。ぜひ記念館を訪れてこの空間の中で「考えて」「感じて」みてはいかがでしょうか? ★オススメリンク 司馬遼太郎記念館ホームページ(アクセス・開館時間など掲載あり) |
