必聴名盤シリーズ 初回生産限定
価格:各¥2,300(tax in)

わすれたいのに/モコ・ビーバー・オリーブ

TOCT-25163
オリジナル発売日:69/09/10

ニッポン放送の時代を彩った名番組「パンチ・パンチ・パンチ」のパーソナリティだった3人で組んだグループ。

  1. わすれたいのに
  2. シークレット・ラヴ
  3. つのる想い
  4. アンチェインド・メロディー
  5. やさしくしてね
  6. オー・ディオ・ミオ
  7. 幸せすぎたの
  8. ささやく天使
  9. 愛の誓い
  10. 夢をみるだけ
  11. タイム・アフター・タイム
  12. シックスティーン・リーズン

 ポップスにとって一番密接な関係のあるメディアはラジオだろう。アメリカやイギリスは元より日本でも60年代、70年代の新しい音楽を広めていったのは圧倒的にラジオだった。深夜放送である。67年に突如社会現象にまでなったザ・フォーク・クルセダーズの「帰って来たヨッパライ」を紹介したのもニッポン放送の「オールナイトニッポン」だった。

 その67年に同じニッポン放送で始まったラジオ番組が「ザ・パンチ・パンチ・パンチ」だった。提供は、当時、若者文化をリードしていた「平凡パンチ」である。出演はモコ・ビーバー・オリーブという女性3人組、長女的存在だった帰国子女のモコと勝ち気なビーバー、マイペースのオリーブ。本名は、高橋基子、川口まさみ、シリア・ポール。60年代ファッションの似合うお姉さまたちのそれぞれのキャラクターの出たリスナーへの悩み相談は、ラジオ番組でありながら視覚的な魅力も備えていた。

 このアルバムは、1969年9月発売の彼女たちの最初のフル・アルバム。ジャケットのファッションはまさに60年代だ。ただ、今振り返ってみて重要なのは、そのことではない気がする。シングル・ヒットした「わすれたいのに」を始め、アルバム12曲はすべて洋楽のカバーだ。歌詞は売れっ子の放送作家たちが書いている。オリジナル版には、全曲のライナー・ノーツが載っており、“朝妻一郎”というクレジットが記されている。

 改めて気付くこと。そういうことだったのかという発見。それは謎解きのようなものかもしれない。アルバムの選曲や構成も手がけたディレクターが彼だった。高校時代にポール・アンカのファンクラブの会報を作っていたという早熟なポップスマニア。その豊富な洋楽の知識を買われて石川島播磨重工業に務める傍ら、レコード評やニッポン放送の洋楽番組の台本を書くようになり、66年に同局が音楽出版社を設立する際にスカウトされたという人物。フォークルのディレクターも彼であり、加藤和彦が一目も二目も置く洋楽ポップスの精通者。全12曲の選曲の良さ。50年代終わりから60年代、ポップス黄金時代の遺産とも言える名曲たち。それぞれがリードを取る3人のハーモニーも、そんなエッセンスを漂わせている。今も色あせないカバー・アルバムのはしりがこれだ。オリーブは後に本名で再デビューしている。プロデューサーは大滝詠一だった。

田家秀樹


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