

既存の保険診療とともに、「Quality of Life(クォリティ・オブ・ライフ)」に着目し、カウンセリングなどを通し、より豊かで健康な生活を創っていく取り組みをなさっているマリーシア・ガーデン・クリニックの渡邉院長に、美しい音楽が体や心にもたらすよい影響について、医学的な観点からお話を伺いました。
―マリーシア ガーデン クリニックにはどんな患者さんがいらっしゃるのですか?
渡邉院長(以下、W): マリーシア ガーデン クリニックでは、通常の保険診療と、予防医療に観点をおいた診療の2つの診療を行っています。なので、幅広い年代層の方がいらっしゃいます。外資系企業も近くにありますので、日本の方だけでなく外国人の方も来られますね。
―クリニックではどんな音楽をかけておられるのですか?
W: そうですね、やはりゆったりとした音楽が多いですね。診療でかなり真剣な話をしますから、そこで邪魔にならないような穏やかな気持ちでお話をしていただけるような音楽を心がけていますね。
その上で、実際かけている音楽は、「出会い」から始まっていることも多いんです。たとえば、チェン・ミンさんというアーティストがおられますが、クリニックの理事長が彼女と交流があり、施設のリゾート的な雰囲気にマッチしているのでよく流します。またこのクリニックの顧問の先生も非常に音楽が好きで、アンチ・エイジングとの関係に着目されてクラシック音楽のCDをプロデュースなさったりもしているんですよ。
なので、ここでかかっている音楽は、患者さんにはシンプルに癒しを、私としてはさらにそこに繋がりや出会いを感じながら聴いています。
―実際、治療の現場におられて、音楽は人の体や心にどのような効果を持っているとお考えですか?
W: 現代の医学は、西洋医学に基づいていて、基本的にお薬だったり手術だったり、科学的に証明されたものを手段として使いますけれど、私は、五感を大事に考えているんです。食生活だとか運動だとかといった生活習慣とかでほとんどの病気が予防できたり、治療も多く出来ますよ。
そしてそれらの生活習慣は五感と密接につながりがあります。聴覚で言うならば、音楽というリラクゼーションもあるし、反対に言葉の暴力みたいなマイナスな影響を与えるものもありますね。私は内科が専門ですけれども内科は“ムンテラ”が仕事だってよく言われるんですね。ムンテラというのは造語なんですが、“口で治療をする”、つまり説明のことなんです。これが結局は一番だってことをよく皮肉を交えて言うんですけど、きちんとした説明は、薬よりも気を落ち着かせるそうです。それには声のトーンというのもあると思うんですね。よく“ドク・ハラ”(ドクター・ハラスメントの略称)とか言われるじゃないですか。お医者さんから乱暴な言葉を受けたり、目も見ないで「そんなの大丈夫だよ」って言われたとか、言葉の内容自体ではなく、そういう言われ方で患者さんの気持ちや体調に影響が出るんですね。そういった声のトーンって凄く体に影響を与えると思うんです。
だから、良い音楽、癒しの音楽が、聴覚という五感を通じて体調に良い影響を与えるというのは明らかで、臨床の現場においてのそういった経験からもそう感じますね。
―「オーラ・シリーズ」では、癒しだけでなく「感動」をテーマに収録曲を選んでいるのですが、「感動」についても何かお感じになることがありますか?
W: そうですね。癒しも大事なんですけども“癒し”だけでは、人間は完成しないと思うんです。刺激だとか、ストレスも人生のスパイスになるんですよね、ある意味。歴史を振り返っても、人間は戦いの歴史を繰り返しているので、そこには感動やドラマがあります。実は私は、自分のブログにも結構厳しいことを書くときもあるんです。たとえば、クリニックにおいても、ゆったりした癒しの雰囲気もいいんですが、一方でここは“戦う場”なんですね。ここにいらっしゃる患者さんは、大なり小なり苦しい何か悩みを持ってそれを解決したいと思って戦いにいらっしゃる方が大半です。その戦いに対して、患者さんもご自分の意思を持たなければならないですし、私たち治療する側も、意識を高く持たなければいけない。優しさや癒しは必要。でも治療する側がやれることには限界があります。やはり、患者さんご自身が、自分で意識を持って戦うという意志を持たなくては成り立たないんですね。ですから、癒しを越える強い何か…精神的な強さ…そうですね、感動、という言葉は色々な意味でよいかもしれませんね。
音楽がもたらす感動、ということでは、実は、私の小学校のときからの幼馴染がオペラ歌手として世界的に活躍しているのですが、彼女とお会いすると、彼女は私の医者という仕事のことを「良い仕事だ」とか「命と向き合う尊い仕事だ」と言ってくれるんですが、私から見ると、彼女こそすごいと思うんです。多くの人に感動や、生きるエネルギーを与えている。たとえば極端な話、テレビだったら何億の人に元気を与えたり、明日も頑張ってみようかなとか、悩んだことがくだらなかったなとか思える力を歌を通じて伝えられる、というのは、凄いことだなと思ったんですね。
音楽はなくても人は死なないかもしれない。でも、そういう“音楽の力”を発揮できる人、そういう人が音楽を通じて人々の心を動かすというのは凄いなぁと思っているんです。
―今回、「オーラ・ベスト」をお聴きになって、ご感想はいかがですか?あるいはどういった音楽がオススメですか?
W: 「オーラ・ベスト」を聴かせて頂き個人的に凄くいいなとファンになりました。今、クリニックに通勤するときの車の中で聴かせていただいています。クリニックに向かうときの音楽は、私にとってとても大事です。患者さんと接するときに、自分自身がおだやかな心で向き合いたいと思っていますので。
今は、皆さん、多忙すぎますよね。例えば原始時代を考えた時に、走り回って獲物を捕ったり機器も無いので全て肉体を駆使して生活していたことを考えると、労働時間としてはそうではないかもしれないけれども、精神的に働く内容、人間関係からして非常に皆多忙なんですね。 自分を見つめる時間が無いと言いましょうか、そういう時にこういう音楽、引き付ける音楽を聴く時間を持つということ自体がとても良いと思います。このCDが良いなと思ったのは、ドラマなどで使われている音楽が色々入っているところ。ドラマを見ている方であれば、その情景が思い浮かぶでしょう。その時の感動だったり、悲しみだったり、共感だったりが音楽と共に思い起こされると思うんですね。そういった感情の刺激が、この1枚のCDの中に入っていて、聴く人の時間を豊かにしてくれるっていうのは非常にいいんじゃないかなと思いました
あと、選曲的にも、葉加瀬太郎さんのようなインストゥルメンタルの楽曲では、言葉に邪魔されないというか、音楽をピュアに楽しめますし、サラ・ブライトマンさんなどの外国語の綺麗な歌は、非常に脳が刺激を受けますね。ひとつのアーティストの作品をじっくり聞き込む、これはこれでいいと思うんですよね。でもそうじゃなくって、情景のフラッシュバックから人の声の質から、違う物が、でも共通してリラックスだったり、落ち着かせるようなテンポの音楽が入っているというのがとても良いんじゃないかなと思いました。
―なるほど。癒しだけでなく感動という刺激も得られるような音楽…
W: そうですね、リラックスして癒されると同時に感動という刺激を与えてくれる音楽が、今求められていると思います。
―貴重なお話、ありがとうございました。
| マリーシア ガーデン クリニック 保険診療の他、アンチエイジングドック、遺伝子検査等、最新医療を用いて個々の状態に合わせた病気治療・メタボ対策(予防)を総合的に行う。専門疾患についての相談、専門医への紹介といった医療連携にも積極的で相談重視の体制は「健康・医療に関する問題を相談できる窓口になるクリニック」として定評がある。 ★公式サイト: http://www.mareesia-gcl.jp |
院長 渡邉 美和子 (わたなべ みわこ) プロフィール |